こんにちはキクティーです!!今回は
「腕立て伏せが肩のリハビリ(痛み改善・機能向上)に最強な理由」
このようなテーマでお話ししていきます。
腕立て伏せって一般的に大胸筋を鍛えるために行うと思うのですが、実は体の機能や解剖学に着目すると、肩関節の機能改善に有効ということがわかります。
僕も勉強するまでは
「腕立て伏せって大胸筋の筋肥大に有効だよね〜」
程度の認識でしたが、腕立て伏せを有効活用すれば、確実に肩の痛みとか肩の動きの改善にかなり繋がります。
なので今回はその理由と腕立てをやる時のポイントをちょっと話していきたいと思います。
肩のリハビリに有効な理由は大きく分けて2つあるので、1つずつ解説していきますね。
動画で見たい方はこちらからどうぞ⬇⬇
腕立て伏せが肩の痛み・機能改善に有効な理由①肩関節に対して荷重が加わるから
腕立ての姿勢は下からの力(床反力)を腕で支えるじゃないですか。
だから肩関節の後ろ側に荷重が加わるんですよ。
これがめっちゃいいんですよ。荷重が加わることで、肩にとっていいことが2つあります。
理由1:上腕骨頭が後方へ移動してくれるから
腕立てを行うと下から荷重が加わるので、骨頭が後方へ移動する力が加わります。
骨頭が前側に偏移した状態で腕を上げたりすると、肩峰というところと上腕骨頭が接触しやすいです(インピンジメント)。
そうすると肩関節の周辺の組織にダメージが加わって、それが痛みを誘発する可能性もあるんですよ。
というか肩に痛みがあったり肩の不調がある人は、上腕骨頭が前側に偏移している可能性が高いです。
インピンジメントに関しては以前に解説してるので、そちらを見てください⬇⬇
なので前方偏移は良くない状態です。
では前方偏移を改善するにはどうしたらいいかというと、肩関節の後ろ側の組織をしっかり伸長させてあげることが大事なのです。
つまり腕立てをすることで、後方に荷重が加わり、後方組織が伸長されるので肩にとって良い状態になるわけです。
その状態で動作を行ってあげれば、後ろ側の組織が伸長された状態で動作を行えますので、上腕骨頭の位置が良い位置になりやすいのです。
だから腕立てやってもらった後にバンザイとかしてもらうと、すごいスムーズにあげれるようになるのです。
理由2:肩関節周囲の固有受容器が活性化するから
もう1つ大事なポイントとして、肩関節周囲の固有受容器が活性化します。
肩関節の周辺には関節包というやつが周りににくっついてるのですが、腕立てをするとこの中の固有受容器というやつが刺激されるんですよ。
これも非常にいいです。
固有受容器ってなんですか??
という方もいるかもですが、受容器はいわゆる「センサー」みたいなものです。
このセンサーはそれぞれ感知する刺激が変わるんですよ。
だから「固有」と言われるのですが、例えば
・触ってる感じを感知するセンサー(触覚)
・圧迫されてる刺激を感知するセンサー(圧覚)
・振動してる刺激を感知するセンサー(振動覚)
などなど、色々ある訳です。そいつらってこの肩関節の関節包にたくさん存在してるんですよ。
そいつらセンサーの働きが鈍くなると、色々と良くないことが起こります。
わかりやすくするために、足底を例に上げてみましょう。
足裏にはたくさんの固有受容器が存在しており、唯一床面と設置している体の部位です。
足裏を床に接地している時には足裏の固有受容器が感覚を脳にどんどん送ります。
その感覚を脳が統合して
・自分は今いう重心になってるんだな
・これ以上の左にいったらバランス倒れそうだな
みたいな、こういう微調整ができるんですよ。つまりかなり役立つセンサーなんです。
こいつの働きが悪かったら、言わずもがなバランス崩しやすくなりますよね。
肩関節でもそいつらの働きが悪くなることで、肩関節の骨頭の位置が変な位置にあっても、それを正常だと感知してしまうこともあるでしょう。
このような悪影響がある訳です。
そいつらが加重をかけることにより、刺激されて活性化しますので、肩にとって非常にいい状態になりやすいです。
これが腕立てが肩の機能改善にいい理由の1つ目です。
おそらくですが、ほぼ誰も話さない内容なので、ここだけの秘密にしておいてくださいね。笑
腕立て伏せが肩の痛み・機能改善に有効な理由②肩甲骨を安定化させる筋肉が活性化しやすいから
肩甲骨を安定化させる筋肉は、具体的に言うと「前鋸筋」です。
こいつがめちゃめちゃ働きます。
腕立てのときに前鋸筋が全く働いてなかったら、荷重に耐えられず肩甲骨が内転してしまいますね。
なので肩甲骨をフラットな位置で保つために前鋸筋が働くのですが、スタートポジションからグーッと上に向かって床を押してやることにより、さらに前鋸筋がバチバチに活性化します。
↑前鋸筋の筋線維が見えるでしょ!!!笑↑
シンプルなプッシュアップの動作より、このような運動(プッシュアッププラス)のほうが前鋸筋は働きます(詳しくは最後の参考文献見てネ!!)。
前鋸筋が活性化するとなにがいいのかと言うと、肩屈曲・外転動作がしやすくなります。
オーバーヘッド動作時は肩甲骨が上方回旋・後継しますが、前鋸筋はそのどちらの働きもあります。
だから活性化することで腕上げやすくなるんですよね。
※あとインピンジメントとかの予防・改善にもなります。
加えて前鋸筋は体の筋肉の中でも弱りやすい筋肉に分類されているので、なおさら前鋸筋を活性化させる運動はたくさんやっていただいた方がいいケースが多いのです!!
だから腕立てはそれに持ってこいなんですよね!!
あと腕立ての姿勢から腕を前方へリーチするような動きをしてあげると、僧帽筋の下部も働きやすかったりします。
あと四つ這いの姿勢から股関節を伸展させるような動きをしてあげると、伸展させた方と反対側の僧帽筋下部が活性化します。
↑これうつ伏せでやっても効果あります↑
直接腕立てをやると活性化する訳ではないですけど、腕立てからのバリエーションで運動をしていくと、僧帽筋下部も賦活させやすいんです。
僧帽筋下部に関しても肩甲骨の上方回旋+後傾の動きで働きますので、肩の痛みとか肩の動かしつらさとか、この辺の改善に繋がっていく大事な筋肉です。
マジ腕立て半端ねぇ!!!全人類やれ!!
腕立て伏せをやる際のポイント
最後に腕立て伏せをやる時のポイントについて話そうと思います。
結論、手を真っ直ぐにするのではなく、外旋させた状態でやってあげるといいです。
腕立てもプッシュアッププラスもそうですが、この状態でやることにより前鋸筋がより働きやすくなります。
なのでぜひ肩の調子が悪いとか肩の痛みがあるという方に対しては、外旋させた腕立て伏せ(とかプッシュアッププラス)を処方してみてください。
※運動初心者の方に対しては、膝をついて行う方法を処方してください。
ただもちろん、肩の痛みの原因が何なのか分からないと対処できない部分もあります。
なので指導してて原因がわかんないな〜という場合、一度病院を受診していただくことをおすすめするといいと思います。
お客さんに不利益を被ることだけはしないようにしていきましょう。
ということで今回こんな感じで終わります!!
僕の記事では今みたいな感じで「実践で使えるような内容」をお届けしていきます。
ただ体の知識を学ぶだけではなく、それを実際にどう生かしていけばいいのか??
この部分をしっかりとお伝えしていきます。
言わば「実践型解剖学」ですね。
なので運動指導者の方はぜひ今後もチェックしていただければと思います。
あともっと現場で使える知識とか考え方知りたいよ〜という方は、下記のトレーナーマガジンに登録していただくと、定期的に有益な記事が届いていきます。
是非こちらもチェックしてみてください!!⬇⬇
それではまた!!
■参考文献
・https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19752153/
・https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25435689/
・https://journals.sagepub.com/doi/pdf/10.1177/17585732211019373
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