こんにちはキクティーです!!
今回は
「多裂筋の解剖学・機能・ストレッチ」
についてお話していきます。
多裂筋はみなさん聞いたことありますか??
ちょっと解剖学詳しい人なら知っていると思いますが、よくある説明が
「体幹を安定させるインナーマッスル」
という説明です。たしかにそのとおりです。
しかし多裂筋は腰痛や股関節のつまりに大きく影響している筋肉なんです!!
これあまり知られてないと思いますが、現場での指導でかなり使えるので、今回紹介していきます。
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多裂筋の解剖学
多裂筋は背骨の突起部分である「棘突起」から、背骨の横の突起である横突起へ斜めに走行しながらくっついてます(胸部は)。
ですが下の方(腰仙部)にいくと上後腸骨棘(PSIS)や仙骨の後面あたりにも付着しています。
腰椎から仙骨部分の多裂筋は他の部分に比べ、すごい発達してるという特徴があります。
細かいことを言うと、(PSIS)や仙骨後面の部分は「大殿筋の筋膜と多裂筋の筋膜」が連結しているんです。
PSIS部分に関しては、多裂筋自体は付着していないですが
筋膜を介して連結しつつ付着しているのです。
PSISの部分での連結は少ないんですが、仙骨部分の連結はかなり強固になされているのも特徴です。
作用としては
両側同時に収縮=腰椎の伸展
片側だけ収縮=体幹の同側側屈+反対側への回旋
の動きに関与します。
ただ多裂筋の収縮の方向からして、あんまり背骨自体を反らすような運動はおこさないんですよ。
多裂筋の機能的特徴
多裂筋は縦(斜め)に走りながら付着してるので、縦(斜め)方向への収縮をします。
そのため、背骨を反らすというよりは、背骨が真っ直ぐ正しい位置にあるように支えてくれてる役割があります。
専門的な用語で言うと「生理的前弯」を作っている感じですね。
腰椎は正常な場合、少しだけ反ってるんですよ。なのでその正常の反りを作る働きがあります。
また脊柱を伸展させる筋肉はみなさんご存知脊柱起立筋が一番作用が大きいのですが、ここばかり強くなってしまうと、相対的に多裂筋が弱くなってしまいます。
すると脊柱を伸展させる力ばかりが強くなるので、姿勢が崩れたり、伸展ストレスがどんどんど加わることにより、椎間関節性の腰痛になりやすいです。
だから多裂筋を鍛えるために、四つ這いで腕と足を同時に挙上させるような運動が
推奨されるのですが、、、
今回は多裂筋のストレッチに関して話します。
「なんでストレッチの話をするんだよww」
と思われるかもしれませんが、実は多裂筋が硬くなってしまうと、腰痛の原因・股関節のつまりの原因になりやすいんですよね。
多裂筋と腰痛の関係
腰痛の原因はすごい複雑なので、多裂筋が硬いからといって100%腰痛が起こるというわけではないです。
あとしっかり評価していかなければわからないとこではありますが、多裂筋が硬くなることで腰痛が発生する機序があるのです。
まず多裂筋は棘突起〜横突起に付着していますが、実は深層と浅層に分かれています。
そして深層の部分は腰椎の乳頭突起に付着しています。
乳頭突起の上には脊椎同士を連結させる「椎間関節」があるんですよ。
この部分は侵害受容器が多いです。
侵害受容器は痛みのセンサーの事ですがそいつが多い分、多裂筋が硬くなると付着部分が引っ張られやすくなり、結果的に痛みが出やすくなります。
これが腰痛になる機序です。
特に腰椎部分ではかなり発達してる筋肉なので、上位の脊柱より腰椎部分で痛みが出やすいかな〜とも考えられます。
多裂筋と股関節の詰まりの関係
さらには股関節のつまりにも関与しているのです。
この機序を理解するにはまず、股関節の屈曲がどうやって起こるのかを理解する必要があります。
実は股関節だけの純粋な動きだと、屈曲は90°ぐらいまでしかいかないんですよ。
骨盤が動かないと大腿骨頭の部分が骨盤の臼蓋のにぶつかってしまうので
それ以上物理的に曲がらないんですよ。
なので股関節屈曲に加えて骨盤が後傾することで、股関節の深屈曲が再現されます。
骨盤の後傾が制限されてしまうと、股関節曲げた時に骨盤が動かないため、つまる感じを訴えることがあるんです。
だからの骨盤後傾の動きを引き出してあげることにより、つまりという現象が取れるんですよね。
じゃあ骨盤の動き制限するやつなのですか?
といったら、多裂筋になるんですよ。
他にも原因はあるんですけど、多裂筋も大きく関与しています。
さっきも言った通り多裂筋は仙骨後面にも付着していますし、上後腸骨棘の部分にも存在しています。
腰椎の部分から仙骨の部分までくっついてるから収縮の方向としては縦方向じゃないですか。
たから硬くなると骨盤が後傾方向に動かなくなってしまうんですよ。
ということで
多裂筋硬い=骨盤の後傾でない=股関節のつまりでやすくなる
という図式が成り立ちます。
だからの股関節のつまりがある〜(泣)
という人に対して、多裂筋のストレッチとか処方してあげると、つまり取れるかもしれないです。
まぁしっかり骨盤の後傾が出てるかどうかというのを、まず評価しなきゃいけないんですけどね。
骨盤の動きを見た上で、多裂筋のストレッチを処方してあげるといいと思います。
多裂筋のストレッチ
最後にストレッチを紹介します。
まずは正座してもらって内モモ同士くっつけます。
その状態で手を前についてもらって、股関節を曲げてきます。
大腿骨を真っ直ぐにすることで、骨頭と骨盤が当たりやすくなるため、必然的に骨盤の後傾が誘導されやすくなります。
その状態で体を丸めてやると多裂筋伸ばされます。
これに加えて側屈も入れると伸びやすくなるので、この姿勢のまま手を反対側にスライドさせるように伸ばす
こうすると左側の多裂筋が伸びます。
反対にスライドさせれば右側の多裂筋が伸びます。
この時に骨盤が動くと多裂筋が伸ばされないので注意して下さい。
あと
「ストレッチを指導する側がどういう介助をしたらいいのか??」
これを最後話しておしまいにします。
さっきの姿勢のときに骨盤の後傾を引き出したいわけなので、まずお客さんの後ろに回ってもらいます。
続いて上前腸骨棘&上後腸骨棘or仙骨あたりこの辺りは把持してもらい、後傾方向に動かすようにアシストしてやります。
つまりストレッチの最中に骨盤が前傾しないように後傾させるという介助をしてあげるといいです。
今回のストレッチを行うと、結構腰痛と股関節のつまりが取れますので、是非使ってください!!
これからも現場の指導で使える解剖学・機能・アプローチ方法の話をしていくので、気になる方はブックマークして待機しておいてください!笑
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それではまた次の記事でお会いしましょう!!
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